白衣の最古の歴史は紀元前のインドで、医師とみられる人物が白い布を体に巻いているのが確認されています。西洋医学では、19世紀末ごろから着用されるようになりました。
看護職を務めていた修道女が、怪我人や病人の手当てをする際に着用しており、有名なナイチンゲールが活躍したのもこの頃です。しかし、色は黒でスカート丈も長めだったのが特徴と言えるでしょう。
当時は衛生管理の概念がなかったものの、次第に重要性が増して白衣も清潔感や信頼感を与える白色に変わりました。1960年代からは、ファッション性や機能性を高めた白衣が登場します。パンツスタイルやスクラブ、伸縮性があり手入れもしやすい化学繊維を使用した白衣が広まったのです。
最近では、カラフルな白衣が多くなっています。その理由としてあるのが、白衣の問題点が出てきたからです。手術の際に血液の赤色を見続けることで、赤色の補色である緑色が残像として長い時間残ってしまい、術中や術後の業務に差し支える声が多く上げられました。
この問題を解消するために、青色や緑色のものが作られるようになったのです。また、白色は清潔や信頼を表す反面冷たいイメージも同時に与え、痛みや辛さなどを連想させてしまいます。
患者の緊張や不安を少なくするために、リラックスできる淡い色や暖色系のものが増えているのです。ですが、既存の白い白衣もまだまだ人気が高く、ニーズもあります。白衣の歴史は時代背景や流行の影響、そして色の持つ効果が理由となり変わってきました。
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